リードジェネレーション(lead generation)を行う際、なんとなく「これまでやってきたから」 という理由で手法を選んでいませんか?
どのようなリード(見込み客)を獲得したいかによって、有効な手法も違えば、成果を出すための方法やコストも変わってきます。
本記事では、これからマーケティング活動に取り組もうとしている方に向けて、リードジェネレーションの概要と、リードを獲得するための代表的な手法をまとめてご紹介します。あわせて、リードの「数」だけでなく「商談につながるリードか」という視点で手法を選び、振り返るための考え方も整理します。
リードジェネレーションとは?
リードジェネレーションとは、リード(見込み客)の情報を獲得するための一連の活動のことを指します。
リード(見込み客)とは、不特定多数の人を指すのではなく、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた、将来的に商談につながる可能性のあるお客さまのことを指します。もっと言えば、その方々の連絡先(電話番号やメールアドレス)の情報のことを指しています。
例えば、過去にお問い合わせや資料ダウンロードをしてくださった方の情報や、名刺交換などで何らかの接点を持った個人や企業の情報がリード(見込み客)にあたります。
マーケティング活動を行う上で、対象が広範囲にわたるBtoC向けの商品やサービスを扱っている場合であれば、マスマーケティング(テレビCMなどを使い、不特定多数に向けて一斉に情報を届ける手法)によってアプローチすることも効果的です。しかし、属性が限定されたBtoCや法人を対象にしたBtoB向けの商品やサービスを扱っている場合には、あらかじめ十分な数のアプローチ先を確保しておいた方が、効率良くマーケティング活動が展開できます。
このように、リードジェネレーションは、マーケティングのスタートラインであると同時に、事業を継続的に成長させていく上で重要な取り組みになります。アプローチ先となる見込み客のリストをまだ十分に確保できていない事業(創業期のスタートアップや新規事業)において特に重要視されます。
リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い
リードジェネレーションと混同されることの多いマーケティング用語にリードナーチャリングがあります。
リードジェネレーション(lead generation)とリードナーチャリング(lead nurturing)は、商談を増やすための活動という点では同じですが、日本語訳すると「見込み客の獲得」と「見込み客の育成」となるように、マーケティング活動においては区別されています。
リードジェネレーションとは、商談につながるリードを0→1から獲得してくることです。すぐに商談につながるリードを獲得できることもあるでしょう。しかし、BtoBの場合、お客さまが興味を持ってくれたとしても、すぐに具体的な検討が可能なタイミングにあるとは限りません。
そのため、リードジェネレーションで獲得したリードを商談につながるタイミングまで継続的にフォローし、関係を築いていくための取り組みがリードナーチャリングになります。
ただし、リードナーチャリングは見込み客のリストがなければ実施が難しいことからもわかるように、マーケティング活動の入り口はリードジェネレーションになります。リードジェネレーションの段階で良質なリードが獲得できると、リードナーチャリングやその後の商談(営業活動)の効率が大きく向上します。
リードナーチャリングの基本はリードナーチャリングとは、BtoBでの具体的な進め方はリードナーチャリングの方法とはで解説しています。
リードの「数」だけを追う落とし穴
リードジェネレーションの成果は、まず「リードを何件獲得できたか」で測られます。リードの数は分かりやすい指標で、数を集めることはリードジェネレーションの大切な役割です。
ただし、数だけを追っていると、リードの数は増えているのに商談が増えない、という詰まりが起こりがちです。集めたリードの多くが「まだ商談化しない段階」のリードか、「そもそも商談化しないリード」であることがあるためです。
この状態でリードをそのまま営業部門に渡すと、確度の低いリードまで営業に回ることになり、営業部門とマーケティング部門の関係が悪化する原因にもなります。
そのため、手法を選ぶときや成果を振り返るときは、獲得したリードの数とあわせて、「そのリードは商談につながりそうか」「商談につながったリードがどの手法から来ているか」も見ておくことが大切です。リードを「数」ではなく「商談化する見込み」として見分ける考え方はリード(見込み客)とはで、獲得したリードを営業に渡す前に見極める方法はリードクオリフィケーションとはやMQLとSQLの違いとは(MQL=マーケティングが育てたリード、SQL=営業が商談に値すると判断したリード)で詳しく扱っています。この視点は、本記事の後半「受注率・LTVを検証しよう」でも改めて取り上げます。
マーケティングのプロセス(ファネル)の全体像
リードジェネレーションの代表的な手法をご紹介する前に、マーケティングのプロセス(ファネル)の全体像についても触れておきます。
マーケティングのプロセス(ファネル)の全体像は、以下の図のように表すことができます。

◎リードジェネレーション(リード獲得)
リードジェネレーションは前述したとおり、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた、将来的に商談につながる可能性のあるリードを獲得するための一連の取り組みになります。
リードジェネレーションの各手法に関しては、本記事の後半で詳しく解説いたします。
◎リードマネジメント(リード管理)
リードマネジメントとは、獲得したリードを管理し、マーケティング活動に活用できるようにしておくことです。自社にとっての見込み客の条件に合うリードがどのくらいあるのか、常に把握できるように管理しておきましょう。
この際に、自社にとっての見込み客の条件に合わないリードは管理対象から外す、競合に所属している担当者の情報もフォロー対象から外す、などといった判断を行うことも大切です。
リード情報を管理して活用するためには、顧客管理システムを導入することをおすすめします。
◎リードナーチャリング(リード育成)
リードナーチャリングは前述したとおり、リードジェネレーションで獲得したリードを商談につながるタイミングまで継続的にフォローし、関係を築いていくための取り組みになります。
自社製品やサービスへの購買意欲を高め、将来的に購入してもらうために、ノウハウや活用事例など、お客さまのニーズにあった情報を定期的に提供していくことをおすすめします。
ただし、闇雲に情報を提供するだけでは、期待する反応を引き出すことはできません。どのようなお客さまに対してどのような情報を提供しどのような反応を引き出したいのかを整理することが大切です。
整理の際には、ペルソナやカスタマージャーニーを作成することも有効です。
◎リードクオリフィケーション(リード選別)
リードクオリフィケーションとは、営業部門に引き継ぐために必要となる、見込み客の絞り込みのことを指します。リードクオリフィケーションの基準をあらかじめ決めておき、マーケティング部門と営業部門が連携するためのルールづくりをしておきましょう。
リードクオリフィケーションの基準を定めるにあたり、唯一の正解はありません。そのため「決める」という意識を持つことがとても重要です。また、定めた基準を可視化するためにBANT条件を確認する仕組みをつくったり、MA(マーケティングオートメーション)のスコアリング(見込み客の属性や行動に点数を付けて、商談に近い見込み客を見分ける仕組み)を活用したりすることもおすすめです。
◎商談(提案活動・クロージング)
商談は、営業部門による提案活動・クロージングのプロセスです。ここで注意したいのは、営業部門にリードを引き継いだからといって、マーケティング部門の活動は終わりではない、ということです。
営業部門に引き継いだリードからどのくらいの割合が商談やクロージング(受注)に繋がっているのかを把握できるようにしておきましょう。場合によっては、マーケティングプロセス(ファネル)全体を見直すことが必要なときもあります。
営業部門の商談(提案活動・クロージング)の進捗を可視化するためには、SFAの活用が便利です。
このように、マーケティングのプロセス(ファネル)は、リードジェネレーションから始まり、リードマネジメント→リードナーチャリング→リードクオリフィケーション→商談と推移していきます。
受注を増やすためには、マーケティングのプロセス(ファネル)を整備し、上流から流れてくるリードを増やすことと、途中でのリードの漏れ(離脱)を最小限に抑えることの両方が大切になります。
リードジェネレーションの代表的な手法まとめ
本記事でご紹介するリードジェネレーションの代表的な手法の一覧です。大きく「イベント」「Web・広告・広報」「自社から直接アプローチする手法(アウトバウンド)」の3つに分けて並べています。
イベント
- 展示会
- セミナー
Web・広告・広報
- Webサイト(HP・企業ブログ)
- オンライン広告(インターネット広告)
- オフライン広告(テレビCM、交通広告、雑誌広告)
- プレスリリース
- SNS
自社から直接アプローチする手法(アウトバウンド)
- DM(郵送)
- DM(メール)
- DM(FAX)
- DM(フォーム)
- 飛び込み営業
- 電話営業(テレアポ)
各手法の概要や、メリット・デメリットを解説していきます。どの手法を選ぶ場合も、獲得できるリードの数だけでなく、そのリードが商談につながるかを手法ごとに見ておくと、次にどこへ予算や人手を回すかを決めやすくなります。
展示会
展示会はテーマによって様々な企業が出展しており、多くの人に自社の商材・サービスを直接アピールできる場として活用できます。自社が出展するときの参考にするため、出展前に来場者側として参加し、会場の広さやブースの位置、人の流れ、来場者の属性などを見ておくことをお勧めします。
メリットとしては、展示会のテーマに関心を持った見込み客が数日間に多く来場するため、少ない期間で多くのリードを獲得できることです。HPに訪れる見込み客とは異なり、自社の商品やサービスを知らない人も多く来場する可能性が高いため、名刺交換やパンフレットを渡すことで自社の商品やサービスの認知度を高められる効果があります。また、自社のブースに訪問した方とのコミュニケーションが直接とれるため、その場でニーズのヒアリングや商談が行えることも特徴です。
デメリットとしては、出展するための出展料、装飾工事費、ブース設営費など大きな費用が必要になる可能性が高いことが挙げられます。ブースの広さ、場所やディスプレイの種類や量などオプションプランによってさらに費用がかさむこともあります。また、会期中にブースを運営するための人件費がかかることも挙げられます。
展示会は、短期間で多くのリードを獲得しやすい手法です。会場で開催される展示会のほか、オンラインで開催される展示会(オンライン展示会、バーチャル展示会)もあります。獲得できそうなリードの数と、出展に伴う費用を見比べながら、活用を検討すると良いでしょう。なお、集めた名刺の数が多くても、温度感(今すぐ検討しているか、情報収集中か)で仕分けずに全員へ同じ案内を送ると、商談にはつながりにくくなります。出展の考え方は展示会出展とはで詳しく解説しています。
セミナー
リードジェネレーションを目的としたセミナーは、すでに多くの企業が開催しています。会場に集まってもらう形式のほか、オンライン会議システムを活用して配信するセミナー(ウェビナーと呼ばれます)もあり、対象や目的に合わせて選べます。
メリットとしては、展示会と比較すると、備品や出展料が無いためコストを抑えることができることや、参加してほしいターゲットに合わせてセミナーの中身を企画することができることが挙げられます。また、自社にブランド力が無くて集客力が弱い場合でも、ブランド力のある他社と共催することで多くの集客を行うことができる場合があります。セミナーやウェビナー後に懇親会や個別相談会を設けることで、参加者の課題を収集し、商談につなげやすくする効果もあります。
デメリットとしては、自社の認知度やタイトルによっては集客が難しいことや、会場で開催する場合はターゲットに合わせて開催場所を考慮する必要があるといった点があげられます。
一度企画すれば定期開催型のセミナーにすることもできるため、リードジェネレーションの施策として取り入れやすい手法です。企画の進め方はセミナー開催のメリット・企画の作り方、ウェビナーの集客方法はウェビナー集客を増やす方法7選をご覧ください。
Webサイト(HP・企業ブログ)
Webサイトや企業ブログは、訪問者に対して役立つ情報を提供し、リード情報を獲得する仕組みづくりをすることで、継続的にリードを獲得できる可能性があります。
メリットとしては、SEO対策(検索エンジンで自社のページが上位に表示されるようにするための取り組み)を施したHPや企業ブログの上に良質な記事を作成して継続して上げ続けることで、自社のWebサイトへの訪問者数を伸ばすことができることです。Webサイトに公開した記事などのコンテンツは削除しない限り残るため、見込み客を集客し続ける資産と成り得ます。また、Webサイトへの訪問者数が伸びてくれば、広告を打つよりも低コストで集客できる可能性があります。企業ブログが成長することで、自社の認知度が向上しブランディングの役割を果たすこともあります。BtoBでのSEOの進め方はBtoB企業のSEO対策で解説しています。
デメリットとしては、Webサイトや企業ブログが軌道に乗り、成果が出るまでに時間がかかるということです。また、記事を継続して作成し続ける必要があるため、サーバー代などのコストに加えて人件費が必要となる点があげられます。
リードの獲得につなげるコツとしては、問い合わせフォームなどの他に、訪問者に対して役立つ情報やノウハウをまとめたダウンロード資料を用意することです。資料をダウンロードする際にリード情報を入力してもらう(獲得する)仕組みづくりをしておけば、自社のWebサイトへの訪問者数が伸びるにつれて、獲得できるリードも増えていきます。ただし、資料のダウンロードだけで止まっているリードは、まだ情報収集の段階にいることも多いため、すぐに営業をかけるのではなく、温度感を見極めてからフォローすることが大切です。
オンライン広告(インターネット広告)
オンライン広告(インターネット広告)は、インターネットを利用するユーザに向けて自社の商品やサービスの宣伝や販売促進ができる手法です。広告の形状(バナーやディスプレイなど)や課金形式(クリックされた回数に応じて費用がかかるクリック課金型や、表示回数をあらかじめ決めて出稿するインプレッション保証型など)が様々であるため、自社の目的に合った広告を選択できます。オフライン広告との違いとして、ターゲット層をより絞り込んで広告を届けられます。
オンライン広告を利用する際には、LP(ランディングページ)を別途作成しておく必要があります。LPはオンライン広告(インターネット広告)をクリックした人が広告内容の詳細を確認し、次のアクションに促すため(例えば、問い合わせや資料ダウンロードなど)に作成されるフォーム付きのWebページのことです。
メリットとしては、ターゲット層をより絞り込んで広告を届けられるため、オフライン広告と比べて広告費用を抑えやすい点や、クリック数やコンバージョン数(問い合わせや資料ダウンロードなど、広告で目標とする行動が起きた数)から費用対効果を算出できる点、広告文やクリエイティブをリアルタイムに変更できるため、A/Bテスト(2つの案を出し分けて、どちらの反応が良いかを比べる検証)がしやすい点などが挙げられます。
デメリットとしては、代理店を利用せず自社で運用する場合、用語やツールの知識が必要になり出稿の手間がかかることや、競合によるオンライン広告の出稿が増えることに比例して、広告費用が上がっていってしまう点が挙げられます。
オンライン広告もWebサイト(HP・企業ブログ)と同様に、訪問者に対して役立つ情報やノウハウをまとめたダウンロード資料を用意することで、リードの獲得につなげやすくなります。
オフライン広告(テレビCM、交通広告、雑誌広告)
オフライン広告にはテレビCM、交通広告、雑誌広告など様々な種類があり、エリアを限定したキャンペーンから全国的なものまで様々な規模において活用できます。BtoCだけでなく、BtoB向けの商品・サービスでもテレビCMやタクシー広告などが使われることがあり、短期間で多くの人にサービスを知ってもらうための手段になります。
メリットとしては、テレビCMや交通広告のようなマス向けの広告は多くの人の目に留まるため、認知度向上が期待できる、広告を出稿する時間帯や媒体をターゲット層に合わせることで、効果的なアプローチができるなどが挙げられます。
デメリットとしては、オンライン広告と比較すると高い費用がかかる点や、広告出稿によるリード獲得の費用対効果が分かりづらい点が挙げられます。
プレスリリース
プレスリリースとは、マスコミや報道機関に向けて経営や新商品、サービスに関する情報を告知する資料のことです。自社のニュースを媒体に掲載してもらうことで広報や宣伝に活用できます。
メリットとしては、プレスリリースの制作費や配信費以外にはコストがかかりにくく、比較的低コストで広告の役割を果たしてくれる点や、有名なニュースサイトや報道機関に取り扱われると一気に認知度が向上する点が挙げられます。また、記事という形式で読んでもらうことで、内容に関心を持った見込み客からの問い合わせにつながることもあります。
デメリットとしては、プレスリリースを出したからといって、必ず報道機関に取り扱われる訳ではないという点や、報道機関側が編集して掲載するため、想定外の書かれ方をされる恐れがあるという点が挙げられます。
リードジェネレーションを目的としたプレスリリースでよく見かけるのが、特定の業種やテーマを取り扱った調査レポートをリリースしたというプレスリリースです。調査資料をダウンロード資料化しておくことで、リードの獲得につなげることができます。
SNS
X(旧Twitter)やFacebook、LinkedIn、LINE公式アカウントなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、自社や商品のPR、販売促進やブランディングの効果を発揮してくれます。
ユーザに情報を届けるためにはアカウントをフォローしてもらう、もしくは友だち追加してもらう必要があるため、そのための施策を効果的に実施できるかが鍵となります。しかし、フォローや友だち追加さえしてもらえれば、無料の範囲でもユーザに情報を届けることができるようになります。
メリットとしては、「いいね」やリプライによって低コストで情報の拡散を見込めることや、自社の投稿を「タメになる」「面白い」と感じてもらうことができればブランディングにも効果を発揮できることです。直接ユーザとやり取りができるため、信頼感や安心感を獲得できる点もメリットです。
デメリットとしては、フォロワーが少ないと情報発信をしても影響力が少なく宣伝効果を見込めないことや、「炎上」が起きてしまうと自社や自社の商品・サービスに対する信頼を失ってしまいかねない点が挙げられます。
フォロワーとの信頼関係をうまく築くことができれば、SNS経由のやり取りの中から商談が生まれたり、リードジェネレーションの仕組み(例えばセミナーや資料ダウンロードなど)に効果的な形で促すことが可能になります。しかし、リードジェネレーションのみを目的にしてしまうと、フォロワーに売りっ気の強い印象や不信感を抱かせてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
DM(郵送)
ハガキや封筒などの郵送物によって自社の商品やサービスのカタログやセミナー情報を新規の見込み客向けに告知することで、リードジェネレーションが見込めます。ターゲットの属性に合わせてコンテンツを送り分けることで反応率が上がり、成果に繋がりやすくなります。
メリットとしては、冊子やカタログの形式にすれば多くの情報を伝えることができることや、回覧性があること、また、QRコードやURLを記載しておくことで、Webサイトへのアクセス数を計測することができることなどが挙げられます。
デメリットとしては、印刷費や郵送費(外注する場合はデザイン費も)が掛かるため、DMのなかでも費用が割高になる点や、印刷や発送準備が必要なので発送までに時間がかかる点、自社との関係性が薄ければ、捨てられてしまう恐れがある点などが挙げられます。
メールでは担当者止まりになりやすい経営層などに向けて、手紙の形で届ける使い方もあります。BtoBでのDMの考え方はDM(ダイレクトメール)とはで詳しく解説しています。
DM(メール)
メールで自社の商品やサービス、セミナーなどを案内する方法です。郵送のDMと比べて印刷費や郵送費がかからず、開封やリンクのクリックといった反応を計測しやすいことがメリットです。
デメリットとしては、受信箱の中で他のメールに埋もれやすく、件名や送信者名で関心を持ってもらえなければ読まれずに終わってしまう点が挙げられます。
注意したいのは、広告・宣伝を目的としたメールには特定電子メール法のルールがあることです。原則として、あらかじめ受信に同意した相手にしか送れません。例外として、Webサイトなどで公表されている事業者のメールアドレスには送ることができますが、アドレスと併せて「広告メールお断り」などの受信拒否の表示がある場合は送れません。また、送信者の氏名・名称や、受信拒否の連絡先などをメールに表示する必要があります(出典:総務省「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」)。
DM(FAX)
FAXを利用してDMを送信する方法もあります。しかし、インクや印刷用紙などは受け取り側の負担になるため、送付先の企業によってはクレームに発展する可能性があります。FAXお断りとの連絡を受けた場合、その後の送信はしないように注意しましょう。
メリットとしては、郵便やメールのDMとは異なり、開封して中身を確認する手間がないため、相手の目に留まりやすいことや、白黒表示されるため、カラー印刷物よりデザイン制作が容易な点が挙げられます。
デメリットとしては、送信先の印刷用紙やインク・トナーを使用するためクレームが発生する場合がある点や、FAXを出力する際に大きな音が出てしまい、送信先に迷惑をかけてしまう恐れがある点が挙げられます。
相手がふだんFAXでやり取りしている場合には、選択肢の一つになります。相手の業務の進め方に合わせて、使うかどうかを判断しましょう。
DM(フォーム)
DM(フォーム)は、フォームマーケティング、もしくはフォーム営業と呼ばれることもあります。企業のHPにある「問い合わせ」フォームに営業メッセージを送る手法です。類似の手法としては、Webサイトで公開されているメールアドレス(info@〜など)に送る方法も挙げられます(メールで送る場合の注意点は、前述の「DM(メール)」をご覧ください)。
受け取った企業側は、窓口の種類や問い合わせの内容を確認し社内の適切な担当者へメッセージを転送します。転送を受けた担当者がメッセージの内容を確認し、必要に応じて問い合わせ元に返信をするというのが一般的です。
メリットとしては、相手企業の窓口に直接届くため、内容が担当者に転送されれば、そのまま検討のきっかけになることがある点です。
デメリットとしては、不特定多数の企業に同一の営業メッセージを送る行為をよく思わない企業もいることです。アプローチ先の企業からクレームが発生する場合もありますので、送り過ぎには注意が必要です。フォームの近くに「営業目的のご連絡はお断りします」などの表示がある場合は、送らないようにしましょう。
飛び込み営業
法人向けや高価格な商品やサービスは、ネットショッピングとは違って広告だけで売ることが難しいため、対面での営業活動が必要になります。飛び込み営業は、運よくキーマン(決裁者、担当者)に会うことができれば、初回から対面での営業活動を開始することが可能です。
メリットとしては、営業担当者の人件費だけで始めることができることや、対面でお客様と話すことでお客様との関係性を築きやすくなることが挙げられます。
デメリットとしては、1件1件移動して営業先を回るため時間も人件費も余分にかかってしまう点や、受付で断られてしまいキーマン(決裁者、担当者)まで辿り着きづらい点などが挙げられます。また、信用されるまでに何度か訪問する必要がある点も挙げられます。
非効率なアプローチ方法とも捉えられがちですが、アプローチする業種や職種によっては、むしろ直接会いにいくことを考えてしまった方が効率の良いケースがあります。
電話営業(テレアポ)
電話営業(テレアポ)は、電話で見込み客に連絡し、アポイント(商談の約束)を獲得する手法です。テレマーケティングと呼ばれることもあります。飛び込み営業と比べ移動する時間も手間もかからないため、よりアプローチ件数を増やすことができるのが特徴です。
なお、電話を使う点では「インサイドセールス」も似ていますが、当サイトでは両者を区別して扱っています。従来型のテレアポは主にアポイントの獲得が目的で、アポイントの「量」に重きを置きます。一方、インサイドセールスは見込み客の状況を把握し、それに合わせたコミュニケーションを行うことが目的で、アポイントの「質」に重きを置きます。詳しくはインサイドセールスとは、新規開拓型のインサイドセールスについてはBDRとはをご覧ください。
メリットとしては、飛び込み営業と比べると、移動する手間がかからないため件数を多くアプローチできることや、自社の地域以外のお客様にもアプローチすることができることが挙げられます。また、着電率やアポ率といったように、成果を定量的に管理できることもメリットになります。
デメリットとしては、電話番号のリストが必要なため、1件1件調べるかリストを購入する必要があることや、受付で断られてしまいキーマン(決裁者、担当者)まで辿り着きづらい点、対面でのコミュニケーションでは無いため相手の印象に残りづらいことなどが挙げられます。
また、アポイントの件数だけを成果にすると、確度の低いアポイントまで営業に渡ってしまいがちです。件数とあわせて、そのアポイントが有効な商談につながったかも見ておきましょう。
リードジェネレーション施策の効果を高めるコツ
以上が、リードジェネレーションの代表的な施策になります。アプローチする施策を変えた途端にリードが効率良く獲得できるようになることもあり得るので、効果が見込めそうな施策に関しては、一度は試してみることをおすすめします。
ここからは、リードジェネレーション施策の効果を高めるコツについてもご紹介していきます。
3つのMの整合性を検証しよう
一つ目のコツは、3つのMの整合性を検証することです。3つのMとは、マーケティングを考える上で必要不可欠な3つの要素、Market(市場、顧客)・Message(伝えたいこと)・Media(手段、媒体)の頭文字を表した言葉です。
Market(市場、顧客)・Message(伝えたいこと)・Media(手段、媒体)とは、言い換えれば「誰に」「何を」「どのように」ということです。
例えば、同じ相手に同じメッセージを伝える場合でも、メール・DM(郵送)・DM(FAX)・電話など、手段はさまざまあります。メールでは反応がなかった相手でも、相手がふだん使っている連絡手段に変えたら届いた、ということも考えられます。メールでは担当者止まりだったメッセージが、郵送では決裁者まで届く、という場合もあるでしょう。
リードジェネレーション施策の効果を高めるためには、3つのMの適切な組合せ、そして整合性を検証することが大切です。
CPL・CPAを検証しよう
二つ目のコツは、CPL・CPAを検証することです。CPLとはリード1件を獲得するためにかかる費用のことです。CPL はCost Per Leadの略語で日本語訳にするとリード獲得単価となります。
CPAとはコンバージョン1件を獲得するためにかかる費用のことで、Cost Per Acquisitionの略語です。日本語では「顧客獲得単価」と訳されることが多いものの、ここでいうコンバージョン(施策で目標とする成果)は、目標の置き方によって変わります。新規顧客の獲得数だけでなく、お問い合わせの数や資料請求の数をコンバージョンとして数えることもあります。
リードジェネレーション施策の効果を高めるためには、CPL・CPAが共に低く抑えられるMarket(市場、顧客)・Message(伝えたいこと)・Media(手段、媒体)の組み合わせを検証し、効果を改善するためのPDCAを回していくことが大切です。
リード獲得単価・顧客獲得単価を低く抑えることができれば、同じ費用でもより多くのリード獲得が見込めるようになります。ただし、単価の低いリードが商談や受注につながるとは限りません。そこで大切になるのが、次の三つ目のコツです。
受注率・LTVを検証しよう
三つ目のコツは、受注率とLTVを検証することです。LTVとはLife Time Valueの略語で日本語訳すると顧客生涯価値となります。顧客生涯価値とは、顧客が自社の商品やサービスを生涯でどのくらい購入してくれたかを数値で表したものになります。
先に説明したCPL・CPAはとても大切なのですが、マーケティング施策の目標の置き方次第によってコンバージョンが表す内容が変化するため、マーケティング部門の追っているKPIのみが反映されがちです。そのため、CPL・CPAは低く抑えられているけれども実際には受注率が低い、あるいは受注してもLTVが上がらない、というケースが発生することがあります。
事業としての目標達成や成長を考えたときには、受注数の拡大による新規顧客開拓やLTVの向上による収益性の向上が大切です。受注率×LTVを検証し、受注率×LTVの高いセグメントを把握できるように努めましょう。
受注率×LTVの高いセグメントが把握できれば、リードジェネレーションを実施する際にもそのセグメントに向けてアプローチを集中することをおすすめします。結果の出るセグメントから逆算してアプローチすることで、リードジェネレーションの効果も高まります。
そうすれば、受注に繋がりやすいリードが獲得できることはもとより、リードジェネレーションの費用対効果、そしてマーケティングのプロセス(ファネル)全体の費用対効果の改善につながり、限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・時間)でより大きな成果を上げやすくなります。
さいごに
本記事では、リードジェネレーションの概要や代表的な手法をまとめて解説いたしました。リードジェネレーションは、マーケティング活動の入り口であり、事業を成長させていく上で欠かせない取り組みです。
手法を選ぶときは、獲得できるリードの数とあわせて、そのリードが商談・受注につながるかまで見ておくことが大切です。自社にとって有効なリードジェネレーションの方法を見つけて実行し、商談・受注につながるリードの獲得につなげていきましょう。
さいごになりますが、当社ではBtoBマーケティングの業務に役立つお役立ち資料を複数ご用意しております。BtoBの受注導線がどこで詰まっているかを、リード獲得から受注・営業活用までの5つの段階で自社で点検できるチェックシート「受注導線セルフチェックシート」などもご用意しておりますので、ご活用いただければ幸いです。